束縛しあう二人#2|実話ショート

ショート「束縛し合う二人」#1 #2 #3 

哲夫と真子は、自由を大切にしたい夫婦なのだ。

お互いを自由にさせてあげたい、と相手のことを思っている。

そう二人は信じている。

それなのに、お互いに相手をイライラさせてしまう出来事を誘発する。

ただ自由に愛に生きたいと思っているのだけれど。

平日の昼下がり、シティホテルのデイユース。

明るくこぎれいな部屋で、ティーパックでいれた紅茶を飲みほす真子。

「という訳で、朝から哲夫とそんな感じになっちゃったわけ。」

「旦那さんもやきもちやいたりするんだね、意外だよ。」

ホテルのテーブルとソファの向かいには、

バスローブを着た今野が座っている。

「来て早々、愚痴ってごめんね。」

「全然、むしろ無理いって来てもらったのは俺だから。うれしいよ。」

「ううん、いいの。今野くん忙しいものね。

また海外出張でしょ。そっちこそ、

そんなときにもわざわざ時間つくってくれてうれしいの。」

「早く、シャワー浴びといで。すぐ、抱きしめたい。」

「うんっ」真子はにこやかに、バスルームへ向かう。その足取りは軽い。

束縛しあう二人#3|実話ショート

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