明里はそのまま家を出るとふらふらとトキオに知らせた家の近くの大きな通りまで来た。
すぐに車がウィンカーを出して目の前に停まった。
窓が開いて、奥の運転席から若い男の顔が見えた。トキオだ。
「久しぶりだね」
明里は助手席のドアを開けると自分から車に乗り込んだ。
元々は車で迎えに来られたらもう逃げられない、とか考えてたのに。
結局自分から助手席に乗り込んじゃうなんて。
どうかしてるわ。
「オナニーの日以来ですね。」
トキオは車を走らせる。広い街道をまっすぐに郊外に向かって走っているようだ。やがて高速道路に上がる。
「そうだね。元気してた?」
明里は窓の外の流れる景色を眺めながら、なるべく冷静を装って答える。
トキオはふざけながら「アソコは元気です。」照れくさそうに笑う。
トキオの顔をちゃんと見れない。
いろんな感情が渦巻く。
忙しい照くんへの罪悪感はもちろんある。
でもそれ以上に不安で寂しい気持ち、さっきの女へのいらだちや、夫への嫌悪感、裏切られた悲しさ、いろんな気持ちで、涙がこぼれそう。
今すぐにでもトキオに抱きしめてほしい、と顔に書いてあると思った。
何の中身もない世間話の応酬をしているうちに高速道路を降りて、郊外の静かなエリアについた。あたりは田園と森と、工場、それから・・・ラブホテル。
ちょっとした路地に車を寄せて停車した。
「アソコ以外は元気じゃなかったの?」
「あれから明里の事がずっと気になっちゃって。心はチル気味。」
「チルって何?ミスチルみたいな感じ?」
「そうですね」トキオは苦笑いする。
「明里にずっと会いたかったってことだよ」
「もう。うそばっかり。どうせ若くて可愛い女の子でセックスしまくってるんでしょ。わたしみたいなおばさんからかわないでよ」
「ほんとだって。あれから誰とセックスしても、明里の柔らかい肌かを思い出しちゃって」
「据え膳食わなかったから、後悔してるだけよ。食べてたら忘れてるわ」
「じゃあ、今日もし明里を食べちゃったら、忘れられるかな?」
トキオは明里に覆い被さるようにキスをした。
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1 オナニーの日はセックス禁止
2 熟女と若い男
3 口内射精
4 自撮りAV
5 満月と若い他人棒
照と明里の過去のストーリーは?
照と明里の最初の物語はこちらの単行本に収録されています。