トキオからのメッセージに
「そんなわけないでしょw」そう打ち返そうとして指をとめる。
今夜の満月と火照ったわたしの身体、どうしたらいいのか。
照くんにはこれ以上無理はさせたくない。
そもそも何年もセックスレスの夫とセックスできるだろうか。
年中、家をあけて国内海外と飛び回ってる夫。
ずっとわたしに興味なんてなさそうだった夫が、
日本に帰ってきてからと言う物、わたしにムラムラしてるかもしれない、
それは今更気持ち悪いとも思うし、ゆるしてやるかという気持ちもある。
ただし、夫のセックスは雑だ。思い出してもヒリヒリする。
だから夫にこの悶々とした火照り解消するのはむずかしいかもしれない。
そう思うと、トキオになんていうメッセージを返すか急に悩ましく思った。
もちろんわたしは、トキオとセックスしようなんていう気はそもそもないの。
照くんだけのペニスでいいから。
わたしは照くんだけいてくれればいい。
照くんは疲れていて、たまには照くんにもリラックスしてほしい。
きっと仕事も残っていて早く帰りたいと思ってるかもしれない。
照くんを早く帰らせてあげてるのも優しさかもしれない。
そう思うと、このあと時間も出来てしまうし。
照くんの替わりにトキオと話をするくらい、
ちょうどいい時間つぶし、気を紛らすのにうってつけかもしれない。
照くんの負担を軽くしてあげるのも、いいかもしれない。
トキオに会うための言い訳ばかりが明里の頭の中をぐるぐると巡る。
もうこうなってしまったら、とりあえず会うことしか考えられなかった。
実際には会ったところ、カフェやファミレスで会えば何もしようがないだろう。
少し冗談めかして
「満月だからね」
と返したみた。
すると0秒で返事が来た。
「会いたくなったらすぐイクからいつでも連絡して」
あまりのレスポンスの早さに胸が高鳴る。
「イクじゃないだろ、イクじゃ」
そうつぶやいてニヤニヤする。
若い男にガツガツされるのも悪くない、そんな風に気持ちが切り替わってしまった自分に寒気がした。
わたし、たぶん今すごくいやらしいスケベな顔をしてるかもしれない。
そこへ照が青い顔で部屋に入ってきた。
「明里ごめん、いったんオフィスに戻らないといけなくて。ちょっと得意先とトラブルを起こしちゃってて。」
「うん、なんとなく分かってたよ。今日も無理して会ってくれてありがと。照くん、わたし負担になってない?」
「なってないよー。明里がいるから俺は頑張れるんだよ。今日は俺の方こそ勃たなくて。まさに役立たずでごめんよー」
照がふざけて明里に抱きつく。
明里は「よしよし」と頭をなでてあげる。
「じゃあ、わたしは他人棒をいれちゃうね今日は。」
「うん、仕方ない。そんな夜もあるよ。他人棒さんによろしくね」
照はニコニコしながらキスをしてきた。
「うんよろしく言っとく」
明里もキスのお返しをした。
この続きはKindleで
最新刊「他人棒と満月とセックスレス」でお読みいただけます。
Kindleの読み放題対象ですので、お暇な時にお読みください。
1 オナニーの日はセックス禁止
2 熟女と若い男
3 口内射精
4 自撮りAV
5 満月と若い他人棒
照と明里の過去のストーリーは?
照と明里の最初の物語はこちらの単行本に収録されています。