ラブホテルでカップルのたわいもない会話。
ベッドで裸のカップルが横たわりながらテレビを見ている。テレビ画面に流れるアダルトビデオを見ながら彼氏がいう。
「こういうのいいよね。憧れる。」
彼氏の名前は照(てる)明るく人懐っこい男である。
彼女は明里(あかり)。明るい性格だが嫌なものは嫌とはっきりいう。気の強い美人だ。明里は少しうんざりした感じで照に返す。
「照くんの言ってることはわかるよ。たまにネットでも見たことあるよ。寝取られっていうジャンルでしょ?」
二人とも社交的で明るいカップルである。なんでもオープンに話しあい楽しむことに積極的なカップルだ。照がテレビに流れた寝取られものAVに食い入る様子に、彼女の明里が呆れ顔なのである。
「そうだよ、わかってれば話は早いじゃん。明里が他の男に抱かれてるのが興奮するんだよ。」
照は明里にキスをして
「俺は真剣なんだよ。愛してるからこそ抱かれて欲しいんだ。」
明里は照を押し返す。
「もう、やめて。ただ自分が興奮したいだけでしょ。百歩譲ってだよ、照くんが興奮するってのは嬉しいよ。私で興奮してくれてるんだな、って思うけど。」
明里は真面目顔だ。
「でも、私は興奮しないよ。というか正直、気持ち悪い。なんでその知らない男とセックスしないといけないのか、って思っちゃうのよ。」
「知らない男だからいいんじゃないか〜」
照くんはまだ説得しようと本気だ。
「知らない女とセックスしたいのは男だけなのよ。
女は知ってる男、愛してる男とセックスしたいわけ。
知らないおじさんとセックスなんて、お金もらわないと無理なのよ。」
「おじさんじゃなくていいんだよ、イケメンならどう、若いイケメンとか。」
食い下がる照。
「そういうことじゃないのよ。セックス下手かもしれないし。」
「イケメンで、セックスが上手くて巨根ならいいだろ?」
「そういう問題じゃないんだってば。それにさ、イケメンでセックスが上手くて、巨根で、
そして大事なのは・・・、」
明里がニヤニヤする。
「大事なのは?」
照は聞き返す。
「私のことを愛してくれるなら、私もその人を愛するわ。だからその人とセックスできる。」
照も一歩進んだと思ってニコニコする。
「それならいいじゃん。」
「でもそしたら、照くんとは別れるわ。」
「なんでよ、」
「私はそうなのよ。一人しか愛せないから。それに女ってそういう生き物じゃない?
男は別名保存、女は上書き保存。前の男とかどうでもいいのよ」
「なんでよー、寝取られたあと、俺とセックスしないと意味ないだろー。
くそ〜そう言われると、それはそれで本当に寝取られそうでムラムラしてきた。
イケメンでセックスが上手くて巨根な奴に負けてたまるか。」
照くんは明里の胸を舐める。
「あんっ、舐めないでよ〜。まだ話の途中でしょ。しかもその彼、金持ちかもしれないわ。フェラーリで迎えにきたらどうする?」
「やめてよ〜。本当に悲しくなるじゃん。俺の愛車の軽で追いかけるよ。」
寝取られの道は遠い。
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