「いい加減にして。もうやめて。こんなことしたらおしまいよ」
涼子は顔を伏せてなんとかカメラから逃れようとしている。
「そんなに顔を写したくないなら、これをかぶせてやる。」
武雄はゆっくりと涼子に近づいてきた。
手には見たことのない黒いゴムの布のようなものをもっている。
「何なの、それ。」
涼子は顔を上げないように注意しながら横目で武雄を睨む。
武雄がそのゴムを広げるとそれは黒いゴムでできたマスクだった。
目と鼻の穴、口のところに穴が空いている。
武雄が持っているとそれは、おぞましくとてもいやらしいものみえて、涼子は身震いした。
「あんまり顔を出しちゃうのもよくないからね。美しい君にはこういう醜いマスクがよく似合うよ。」
「やめてっ。そんな気持ち悪いものつけられない・・・。けど。」
涼子は困惑している。早くカメラから顔を隠したい思いもある。
武雄が冷静になる方法を考えるために、時間をかせがなければならない。
「わかったわ。そのマスクをつけてちょうだい。」
黒いラバーマスクを前から涼子の顔にかぶせる。
ラバーマスクの後ろがひもの編み上げのようになっていた。
武雄は涼子のセミロングの髪をヘアゴムでまずまとめると、ひもに巻き込まないようにやさしく丁寧にマスクをつけていった。
ラバーマスクは最初はひんやりした。むせかえるようなゴムのにおいが鼻をつく。
すぐに自分の体温がゴムにうつり、熱を帯びる。
「こんな変態なマスクをかぶせて・・。」
そのラバーマスクの異様さが自分でも想像できるのと、ゴムマスクで皮膚が呼吸できず、汗をかいているのがわかる。
息苦しいような気がして、口ではあはあと涼子は息をしてします。
「そんな醜いマスクをして、興奮してるみたいだね。」
「ふざけないで。とにかく、落ち着いて。どうしたの。どうしちゃったの。」
涼子はマスクをしたことで、やっと顔をあげることができた。
スマホで撮影され配信されているがそんなことは言ってられない。
この状態をなんとか武雄を説得し突破しなくてはならない。
「偉そうな口の利き方をするな!」
武雄が大きい声をあげた。
「ひっっ。」
武雄の大きい声を聞いたのは初めてだったかもしれない。涼子は引きつった声をあげた。
武雄はキッチンの方へ歩いて行く。
リビングの机からは武雄が何をしてるかわからない。何か液体の音がする。
たっぷりと透明の液体がはいったバケツを、武雄がもってキッチンから戻ってくる。
「君はいつもそうやって偉そうに僕を見下してきたよね。
僕は気づいた。
僕のペニスを立たせないように君はずっとそうやって僕を押さえつけてきたんだ。
セックスを恐れてたのは君の方だったんだよ。」
武雄は、涼子の前までくるとバケツを頭上にもちあげた。
「何をするの?」
涼子は恐怖で震えている。
「大丈夫、あたたかいよ。」
武雄は、バケツの中身を涼子に頭からかけた。
「熱っ。ぶっ。なに、これは。」ぬめりのある大量の液体は、お風呂の温度くらいに温められている。
ぬるぬるとして口や鼻を塞いで、ますます苦しい。
目も開けられない。まぶたに重くのっかる。
「ローションだよ。」
白いブラウスがローションでぐっしょりとなり、
ベージュの大きなブラジャーがすけてみえる。
グレーのパンツもぴったりと足や尻に張り付いている。
「たまらないね。」
武雄はバケツを投げすてる。バケツが床に転がる音が部屋に鳴り響く。
涼子は恐怖でびくっと身を震わせる。
「そういう表情の方が、本当の姿だよね。ゾクゾクするよ。」
武雄は、涼子のブラウスの胸の第二ボタンの隙間に左右の手の指を差し込む。
「隠しているものを見せてごらん。」
武雄はいきなり、
ブラウスを左右に思いっきりひっぱった。
ボタンははじけ飛び、ローションでヌルヌルのブラジャーが露出した。
「きゃああっ。やめて、ほんとうにやめて。」
「その醜いマスクに、破けたブラウスの下着姿、いままでで一番きれいだよ。」
武雄はズボンを下ろした。そこには勃起したペニスがあった。
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